私の周りの認知症の人の家族はとても険しい表情をしています。そして疲れた顔でいつも、周りの人に傷つけられやしないかと怯えています。

　だからよけいに認知症の人も不安一杯で、自分の居場所を見つけたくて、力の限り動き回り心の不安を誰かにぶつけます。どの人も決して幸せそうではありません。

　こう考えれば・・・こう動けば少しは幸せになれるかも知れない、と言葉や行動で伝えてみても、返ってくる言葉は「私達の悩みは理解してもらえない」と自ら孤立するような返事ばかり。そして更に辛く悲しい表情になっていきます。

　どうすれば良いのだろうかと考えぬいた末、行き着いたのが、認知症の人と家族の会香川県支部を設立することでした。香川県支部は「困り果ててクタクタになる前に家族の心の拠り所になろう」「地域と共に考え、共に生活できる環境を作り上げよう」等、多くの夢を持っています。

　認知症の人と家族の会香川県支部は他県より充実した組織であると自負しています。それは、認知症や介護に携わる専門職も世話人・監事になっているからです。これらたくさんの人達の知識や経験を集め、支部の想いを香川県全域に拡げ、認知症の人と家族が安心して生活できる町にしたいと思います。